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2022年6月27日
今回ご紹介させて頂く論文では、マウス腹側海馬における細胞外
グルタミン酸濃度の変化を調べています。
オピオイドδ受容体(DOP)作動薬には、痙攣誘発作用のある
化合物(SNC80 タイプ)とない化合物(KNT-127 タイプ)が
ありますが、これまでDOP 作動薬の痙攣誘発作用機序は十分に
明らかにされていませんでした。
本論文では、SNC80 が腹側海馬のグルタミン酸濃度を上昇させる
ことで、マウスに痙攣様の異常行動が誘発されることを、一方で、
KNT-127 の細胞外グルタミン酸濃度上昇はSNC80 と比べて弱い
ことを明らかにしました。この結果はKNT-127 の痙攣作用に
対する安全性が高いことを示唆しています。
海馬グルタミン酸神経伝達系に影響を及ぼさないDOP 作動薬は、
安全な向精神薬となることが期待されます。
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