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マイクロダイアリシスの基礎知識 

 

マイクロダイアリシスプローブは、半透膜を使用しています。当社のプローブは主に外径220 µmを使用しています。プローブのインレットをテフロンチューブを利用してシリンジポンプにつなぎます。連続的に膜内部に液体を潅流し、プローブのアウトレットで膜を通過してきた液体(透析液とよぶ)を回収します。すると、膜外の成分が膜内に透過してきて、この成分をプローブの外に運び出すことができます。連続的に液体が流れているので、フラクション(画分)を採り、目的物質の濃度を測定することで、時間軸に沿った物質の濃度変化を見ることが出来ます。 

このとき使用する液体(潅流液とよぶ)は、脳での実験では人工脳脊髄液もしくはリンゲル液を使用するのが一般的です。皮下実験などで、脂溶性の高い物質を回収したいときには、DMSOを含む生理食塩水やオイルを使用することがあるようです。また、この潅流液に予め、薬物などを溶解しておくと、その物質が膜を透過出来れば細胞外に投与することも可能です。この投与方法をReverse Microdialysisとよびます。この方法は、目的部位に持続的に投与できるという特徴があります。 

組織にマイクロダイアリシスプローブを挿入すると、その部位の細胞は破壊されるためプローブ内の物質濃度は細胞外のそれをより反映すると考えられています。また、プローブを挿入された動物は自由行動下に置く事も可能です。

 ・細胞外の分子を経時的にサンプリングできる。

 ・動物は自由行動下に置くことができる。

 ・薬物投与ができる。

 

脳マイクロダイアリシス

 

自由行動下でサンプリングする際は、あらかじめガイドカニューラを留置します。目的脳部位の近傍にガイドカニューラ先端が来るように、脳固定器を使用して埋め込みます。その後、動物の回復を待ち(1晩から1週間が一般的)、マイクロダイアリシスプローブをゆっくりと挿入します。脳固定器により、ガイドカニューラは特定の脳部位に埋め込まれますので、マイクロダイアリシス法では、特定の脳部位からの情報を観察することができます。

 

プローブを挿入する前に、潅流を始めておきます。脳に挿入後、目的部位の細胞の一部が破壊されるものの、生き残った細胞やそこへの投射により生成される細胞外の物質的環境を測定することができます。特に、神経伝達物質は細胞外を経た情報伝達のため、マイクロダイアリシスは神経伝達物質の測定に応用されています。セロトニン、ドーパミン、ノルエピネフリン、アセチルコリン、GABA、グルタメイト、ニューロペプタイド等が測定できます。

回収率

 

回収率とは、この場合、ある成分が膜の外から内側に移行する率をさします。外と内が同じ濃度になるときを100%とします。簡単には、各分画ごとの回収時間と膜表面積が、大きければ回収率が上がります。

マイクロダイアリシスの膜の種類によっても回収率が変わります。膜の細孔サイズのインデックスとMolecular Weight Cutt Off (MWCO) 値を用います。当社の標準膜は50,000Da MWCOです。また、回収率は潅流液のマイクロダイアリシスプローブ内の流速におおよそ反比例します。通常の脳マイクロダイアリシスの流速は、0.5 ~ 2 μl/minで効率よく低分子が回収されます。実際の脳内での回収率を知るには、Net Flux法やUltra Slow Flow法といった方法がとられます。

 

Net Flux法:Reverse Microdialysisを取り入れた方法で、シリンジ内に異なる低濃度の目的物質を入れて回収されてきた液の濃度との差を見る方法。

Ultra Slow Flow法:0.1 µL/minといった非常に低い速度で潅流し、回収率を限りなく100%に近づけて実際の回収率を推測する方法。

 

 

分析 

 

アウトレットより流れ出てきたマイクロダイアリシスのサンプルは、フラクションコレクター上のバイアルに集めるのが一般的です。フラクションコレクターは、一定時間ごとに、次のバイアルにチューブを移動して行きます。回収されたサンプルはHPLCやELISAと質量分析計などで目的物質の濃度を測定します。

Microdialysis

Microdialysis